バースデーカード
だけど、そんな調子のいい時に限って病魔は牙を剥く。


出版作業は順調に進んでいたのに、夜中に発作が起こってしまったのだ。


それも、いつもより激しい発作だ。


今までに感じたことのない苦しさ。


喉をかきむしり、目を見開いて助けをこう。


担当医がなにか言っているが聞こえない。


視界が狭まっていく中、自分の体がどこかに移動させられるのを感じていた。


そして最後に見えたのは手術室の文字だった。
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