恐怖ダウンロード
でも、教科書には数ページ分、黒い穴が空いてしまった。


他の2人も楽しげに笑いながら教科書やノートを踏みつける。


愛子が布製のペンケースが踏みつけられた瞬間、中でペンが折れる音がした。


それが楽しいのか、愛子は必要にペンケースを踏みつけた。


中でどれだけボロボロになっているのか想像にたやすい。


あたしと夢は黙ってその様子を見ていた。


やり返したら何倍にもなってやり返されるとわかっていたから。


それに、今のあたしにはやはり余裕があった。


今日は陸がいないことが一番大きい。


あたしたちは今日は蹴られたり殴られたりすることはないはずだ。


やぱり、肉体的に痛いのはキツイ。


何日も腫れが引かないときもあるし、制服は汚れてしまうし、いいことはひとつもない。


「ほんっと、お前らが人の彼氏笑うとかあり得ないんだけど?」


「ごめんなさい……」


美紀の言葉にうなだれて謝る。


夢もさっきからうつむきっぱなしだ。
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