恐怖ダウンロード
次の休憩時間中、4人は珍しく教室にいなかった。


どうせトイレでタバコでも吸っているんだろう。


そんなことを思っていると2人の女子生徒があたしと夢に近づいてきた。


「あ、あの……」


おずおずと話しかけてきたお下げ髪の女子生徒は田淵さんだ。


隣りにはショートカットでメガネをかけた和田さんもいる。


2人とも読書が好きなようで、休憩時間になるとよく本を読んでいた。


2人とあたしたちの接点はほとんどない。


クラスメートと言ってもグループは違うし、挨拶くらいしかしたことがなかった。


「なに?」


あたしは驚きながら2人へそう尋ねた。


「あ、あの。2人ともごめんね」


不意に田淵さんが謝ってきたのであたしと夢は目を見かわせた。


田淵さんと和田さんになにかされた記憶はなかった。


「あたしたち、気にはしてるんだけどなにもできなくて」


和田さんが周囲を気にしながら言った。


それがイジメに関することだとすぐに理解した。
< 74 / 230 >

この作品をシェア

pagetop