人権剥奪期間
《舞、大丈夫か?》


《怪我してないか?》


《図書室なら人が少ないかもしれない》


《学校から出られないって本当か?》


それ以外にもたくさんのメッセージが入ってきている。


どれも舞を心配する内容だ。


それでも花子は「行っちゃダメ」と短く言った。


舞が歯を食いしばるのがわかった。


時間を確認すると、あと1分で授業は終わってしまう。


「あたし、行く」


途端に舞が動き出した。


「やめとけ、罠かもしれないぞ!」


聡介が叫ぶ。


しかし舞はまっすぐドアへ向かう。


あたしが手を伸ばして止めようとしても、その手は簡単に振り払われてしまった。


舞がドアを空けたその瞬間、授業終了のチャイムが鳴った。


「死ぬぞ!」


大志が叫んだが、舞には届かなかった……。
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