セフレのテラダ
目を閉じて、少し眠りに落ちていた頃。
枕元のスマホが震えた。
画面を覗くとテラダからの着信だった。

上体をゆっくり起こして電話に出る。

「どした?」

テラダの声。

「いや、なんか今日来ないかなと思って。」

テラダが暇じゃないのは知っている。

「いや、今仕事終わったとこ。」
「こんな時間までやってたの。」
「月曜日に送らないといけないやつで、ちょっと。」

時計を見る。

もう24時過ぎてるよ。

「そっか。じゃあゆっくり休んで。」

私はそのまま電話を終わらせようとした。

「サーヤは?今部屋いたの。」
「うん、いたよ。」

布団に転がりながら答える。

「今から行っていい?」
「電車ないじゃん」
「自転車あるし」
「うーん」

部屋を見渡す。

「会いたい」

テラダからのストレートな言葉に胸が高鳴る。
寝るとこだったけど、ま、いっか。

「うん、いいよ。」

私は天井を見つめてそう答えた。

分かってる。
テラダの会いたいはセックスしたいってことくらい。

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