ちいさなことばをひろいあつめて【短編集】
 大通りに出れば師走の匂いのする冷たい風。

 忙しない街並みを見ながら私はワインで火照った唇に言葉を乗せた。


 「さよならだけが人生なら、また来る春は何かしらね」


 そこに彼がいないことは間違いないこと。

 そう呟いて私は住み慣れたこの街を後にした。
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