イノセント ~意地悪御曹司と意固地な彼女の恋の行方~

ぅうん。
腕の痛みで萌夏は目覚めた。

目を開けようとして、降り注ぐ光の眩しさに再び瞳を閉じた。
そういえば、もうすぐ夏なんだ。
去年までの夏休みはバイトに明け暮れて、日の光を浴びることもなかった。
今年はどんな夏になるんだろう。

「萌夏」

耳元で晶の声がした。

「萌夏ちゃん」

これは・・・礼さん。

何度も呼び続けられる声に、萌夏はゆっくりと目を開けた。

まず見えたのは大きな窓。
そこからおひさまの日差しが差し込んで、その先には青い空と白い雲が見える。

「心配したのよ」
晶は少し恨めしそうに、じっと睨む。

「無事でよかったわ」
礼さんは嬉しそうに笑っている。

どうやらみんな心配してくれたんだと気づいて、
「ごめんなさい」
萌夏は素直に謝った。
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