イノセント ~意地悪御曹司と意固地な彼女の恋の行方~
「おはようございます」
いつものように雪丸さんの登場。
最近では遥からもらったスペアキーでいきなり部屋に入ってくる秘書。
別に悪いことをしているわけではないからいいんだけれど、プライバシーも何もあったものじゃない。
ただ、遥自身は学生時代からの友人である雪丸さんの存在をまったく気にしていないようで、萌夏としては文句を言わず迎え入れている。
「随分シンプルな朝食ですね」
テーブルの上をチラッと見て、一言。
「すみません」
つい口をとがらせてしまった。
手抜きな朝食なのは自覚がある。
でも、今日はどうしても起きられなかったから。
「たまにはいいさ」
珍しく、遥がかばってくれる。
「何がそんなに忙しんだか」
これは遥が部屋に戻った瞬間、萌夏にだけ聞こえるボリュームでつぶやかれた言葉。
それに対して萌夏は、ただ睨みつけることしかできない。
同居を始めて1か月。
ここでの生活にもバイトにも慣れた。
遥のことだって機嫌をとる方法がなんとなくわかってきて、それなりにうまくやっている。
でも、この秘書だけはダメ。
完全に嫌われてしまっていて打つ手がない。
「じゃあ行ってくるよ」
「行ってらっしゃい、気を付けて」
いつものように声をかけ玄関へと向かう遥と、その後ろをついていく雪丸さん。
結局今日もまともに挨拶すらしてもらえなかったなあと、萌夏は肩を落とした。
いつものように雪丸さんの登場。
最近では遥からもらったスペアキーでいきなり部屋に入ってくる秘書。
別に悪いことをしているわけではないからいいんだけれど、プライバシーも何もあったものじゃない。
ただ、遥自身は学生時代からの友人である雪丸さんの存在をまったく気にしていないようで、萌夏としては文句を言わず迎え入れている。
「随分シンプルな朝食ですね」
テーブルの上をチラッと見て、一言。
「すみません」
つい口をとがらせてしまった。
手抜きな朝食なのは自覚がある。
でも、今日はどうしても起きられなかったから。
「たまにはいいさ」
珍しく、遥がかばってくれる。
「何がそんなに忙しんだか」
これは遥が部屋に戻った瞬間、萌夏にだけ聞こえるボリュームでつぶやかれた言葉。
それに対して萌夏は、ただ睨みつけることしかできない。
同居を始めて1か月。
ここでの生活にもバイトにも慣れた。
遥のことだって機嫌をとる方法がなんとなくわかってきて、それなりにうまくやっている。
でも、この秘書だけはダメ。
完全に嫌われてしまっていて打つ手がない。
「じゃあ行ってくるよ」
「行ってらっしゃい、気を付けて」
いつものように声をかけ玄関へと向かう遥と、その後ろをついていく雪丸さん。
結局今日もまともに挨拶すらしてもらえなかったなあと、萌夏は肩を落とした。