2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「ピンポン」と、チャイムが鳴った。


「俺が出る」


宅配が届き、樹はドアを開けて、リビングを出ていった。


その背中を見て、私は大きく深呼吸した。


「食べよう。いろいろ頼んだから」


戻ってきた樹が、テーブルに料理を取り出して並べてくれた。


「ありがとう、美味しそう。あっ、私にも払わせてほしいんだけど……」


「そんなことは気にするな。俺が誘ったんだ、お金のことは一切気にしなくていい」


「でも、そんなの申し訳ないよ」


「そんなこといちいち考えてたら窮屈だろ。ラクにすればいい。今日からここがお前の家だ」


「でも……」


確かに、樹がお金には困ることはないだろう。だからって、甘えてもいいの?


「そんな顔するな。ここにいる間はずっと笑っててくれ。頼むから……」


そんなこと言ってくれるんだ。
そうだね……私も、できることなら笑っていたい。


「ごめんね。本当に、甘えちゃっていいのかな」


「ああ、もちろんだ」


「さあ、食べよう」


樹は、さり気なく割り箸を渡してくれた。
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