2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「柊は柚葉のこと本気なんだな。でも、俺が柚葉と仲良くできるかはまだわからないな」


「お前なぁ……」


僕は、苦笑いした。


「柊は昔からめちゃくちゃ人気あって、すごくモテてたけど、いよいよ結婚するんだな。不思議な感覚だよ、兄弟が結婚するって」


「めちゃくちゃモテるのは樹だろ。僕は普通だよ」


クールでオシャレな樹の周りには、いつも女の子達がいた。ただ、樹は、本気の恋愛ができないって、いつも悩んでた。アメリカでも、特定の彼女はいなかったらしい。


「普通じゃないだろ。柊なら選び放題なのに、何で柚葉なんだ?」


樹がソファに座りながら、前のめりになって質問してきた。


「柚葉に初めて会ったのは、採用面接の日だ。顔も可愛いし、笑顔が良くって。彼女が言った言葉もとても好感が持てたんだ」


あの日、柚葉はすごく緊張してた。
過呼吸になりそうなくらいに。
それでも、一生懸命会社への思いを語ってくれて……
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