2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「ごめんね、今日は……ちょっと」


今夜は、柊君と話さないと……
結婚式のこととか、いろいろ……
本当は逃げたかったけど、絶対に向き合わないといけないから。


「わかった。いつでも声かけてよ。待ってるから」


「真奈、ありがとう。うん、わかった」


心遣いが身に染みる。
でも、今はまだ真奈にも話せない。
こんな気持ちを、どうやって話せばいいかもわからなかった。


コピーをして専務に届けた後、私は会議に参加し、とにかく、仕事に専念して余計なことを考えないように努力した。
そうしたら、ほんの少し気持ちが落ち着いてきた。


きっと、マンションの部屋に閉じこもっていたら、ずっと泣いてただろうし、やっぱり会社に来て良かった。


「柚葉。ちょっと手伝ってくれ」


突然、声をかけてきたのは樹さんだった。
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