2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「あ、ありがとうございます。はい、わかりました」


何だろう、樹さんの言葉、すごく男らしくて、今、一瞬ドキッとした。


柊君に似てる声だけど、柊君にじゃない、私は……樹さんにキュンとしたんだ――


「おやすみ、ちゃんと寝ろよ」


「はい、ありがとうございます。おやすみなさい」


スマートフォンをテーブルに置いて、私は冷めたミルクティーを1口飲んだ。
そして、息を深く吸ってから、ゆっくりと吐いた。


樹さん……
今日は、どうしてあんなに優しかったの?
柊君にフラれた私が、あまりにも可哀想だったから?


きっと同情してくれたんだ。
怖そうだし、私のことを美人じゃないって言ったし、いろいろ意地悪な樹さんだけど、でも本当はものすごく優しい人なのかも知れない。


何かあったら連絡してこいって、その言葉があるだけで、私は大きな安心感に包まれた。


柊君の双子の弟、樹さん。
まだまだよくわからない人だけど、それでも、今、私が樹さんに救われてることに間違いはなかった。
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