お前の隣は俺だけのもの。
「おいっ」



昨日なんて、家事ばかりやらされたし。

碧は『家事は出来ない』とか、なんとか言っちゃっているけど、じゃあ、今までどうやって生活していたんですかねぇ?

私の存在って“居候”とか“家政婦”みたいな扱いなんだろう。

……泣けてくる。



「おいっ!」



突然、目の前で大きな声を出される。

ビクッと肩をはねさせる私。


顔を上げれば、イケメンヤンキーくんが立っている。

着崩した制服に赤髪がよく似合う。

赤髪がワックスでセットされているのか、ツンツンしていて、なんだか格好いい。



「私に何か用事ですか?」



赤髪ヤンキーくんに問いかけると、ものすごく睨まれた。

……私、なにかしたかな?



「ため息がうるせぇ」



赤髪ヤンキーくんが答えてくれる。


そうか。

私のため息って、人を不快にさせるほど大きかったのか。

それは申し訳ない。
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