先生がいてくれるなら③【完】

先日親父に母親の件で呼び出されたばかりなのに、俺は再び、今度は親父のいる大学病院に呼び出された。


しかも今回はかなり強引に。


時間と場所を指定して来て「来ないと一生後悔する事になるから、必ず来るように」なんてご丁寧に脅し文句まで付け加えて。


今回は前回とは違い、自分の車で来ることも指定してきた。



「一体、何だって言うんだ?」



病院へと向かう車内で思わず独り言を零した。





指定された場所──親父の使っている教授室の扉をノックすると、はい、と返事があった後、光貴が出て来て中へと俺を招き入れた。


そして部屋の中にいる意外な人物に、俺は思わず目を丸くする。



「……は? 岩崎、なんでお前がここにいんの?」



そう、元同僚の岩崎が、なぜかこの部屋にいて……堂々とソファに腰掛けていたのだ。


ヒラヒラと手を振りながらニッコリとインチキ臭い笑顔を振りまいて、俺に声をかけた。



「まぁそれはこれから話すから、とりあえず座って」

「は? お前に指示される筋合い無いし」


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