----未定----

そう思ったのに、


「おい」

路地の向こうから低い声が聞こえてきた。

顔は見えなくても物凄く威圧的な雰囲気が伝わってく

る。


「誰だよ！今いいとこなんだ！邪魔すんな！！」

男たちはどっかいけと男を睨んでいる。

「その手を離せよ」

そう言って、私達に近づいて来たのは、、、


蒼さん？！

はっきり見えたその顔は蒼さんだ！！！！

「蒼さん！」

男の正体が蒼さんだと気づいたら体の力が抜けてしま

った。

その場にへたりこんでしまった。

「あー！もう！いいとこだったのによ！！」

そう言って男たちが蒼さんに殴りかかる。

危ない！！！！

そう思ったのに蒼さんは男たちの拳を見事にかわして

いる。

すごい。

気づけば男たちは蒼さんの足元に倒れていた。

するとすぐに、２人ほど黒ずくめの男が蒼さんの

元へ近寄ってきた。

「どうしますか」

蒼さんに尋ねると、蒼さんは静かに何かを目で合図して

黒ずくめの男がたちは

「はい」と返事をし私を襲った男たちをどこかへ

連れて行った。

その様子にあっけにとられていると、

「遥」

蒼さんが静かに私の名前を呼び近づいてきた。

そして私の前に立つと、静かにしゃがんで

目線を合わせてくれた。

「遥。大丈夫？？ゲガはない？？立てる？？」

そう言って手を差し伸べてくれた。

その手をそっととった私の手は震えていた。

「遥。ごめん、俺がもっと早く駆けつけられたら。」

蒼さんは物凄く申し訳なさそうな顔をして謝ってきた


何も、何も悪くないのに、、、、




「蒼さんは何も悪くないですよ。私が注意不足で」

私がぶつかったのが悪かったんだろうが、今は何も

考えられない。

あの恐怖が体と頭から離れないのだ。

私が悪いんだ。そう考えても、体の震えは止まらない。


「遥。もう大丈夫だから。な？」

ふわっと蒼さんの優しい香りに包まれた。

それだけでとても安心できた。

蒼さんだって知り合って間もない。お互いのこと

全然知らいないのに、、、


不思議だ、、、、




「とりあえず行こう」

と、私の手を引いて、近くに止めていた車に乗せてくれ

た。そして私が落ち着くまでずっとそばにいてくれ

た。


「また助けてもらっちゃいましたね。すみません。」

「お前は何も悪くない。悪くないよ」

蒼さんは優しくなだめてくれる

「遥。このままうちに来ないか？」

蒼さんなら信用できた。

正直一人で入れる自身はなかったし、蒼さんの言葉に

甘えさせてもらうことにした。

「はい」