君の声が好きなんだ
「春風さん」

「はい、元気です」

今日も聞けた。

梨々花の声。

高すぎず、低すぎず、自然な声。

でも、透き通っていて凛としている声。

そんな声を持っている君に惚れたんだ。

「最塚君、最塚!」

「はっはい!元気です…?」

ドッと笑いが起きる。

あぁー。

失敗してしまった…。

担任が苦笑いでこちらを見る。

「最塚、ちゃんと人の話は聞くように」

「はい。すみません…」

すると、クスクス笑いがまた起きる。

チラリと窓側の席の梨々花を見ると、表情は分からなかった。
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