君に伝えたかったこと

二通のLINE

缶コーヒーを買うために、車を止めると、それを見ていたかのように携帯にメールが届く。

『お疲れ様、まだ仕事中かな? 締め切りが近いって言ってたから、ちょっと気になってラインしてみました。 今日は先に寝るね。
おやすみ』

美貴恵からだった。

あの電話でつながった日から、また同じように二人の日常が重なりはじめた。
しかし、以前とたった一つだけ違ったのは、お互いの顔をまだ見ていないということ。

おはようのメールもおやすみのメールも、するようになった。

ただ仕事のスケジュールがどうしても調整できずに、今までゆっくりと逢う事ができないまま2週間が過ぎていたのだった。

(今の仕事が終わったら、ゆっくり逢おう)

それが約束だった。


『美貴恵、今日はどんな日だった? 楽しいこと、いいことがあったかな。
オレは今から帰るよ。また明日ね

おやすみ』

美貴恵からのラインに返信する。


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