君に伝えたかったこと
時を同じくして芳樹もまた美貴恵に送ることができないメールを眺めていた。

(逢いたい)

その一言をメールすることが、どうしてもできないでいた。

仕事が落ち着いたらゆっくり逢おうと約束はしていたが、
小さな小さな棘が心の端をチクリと刺していた。

(このまま美貴恵に逢ったとして、再会できた喜びだけで進んでいいのか?
二人・・・いや美貴恵の未来が幸せであることが自分の一番の願いだったはず・・・)

出会った頃のような喜びや楽しさは、なにひとつ変わっていない。
離れていたからこそ、美貴恵の大切さもよくわかった。

大切さが、より深まったからこそ芳樹は二人の未来について考えるのだった。

揺れ動く二人の想い

そして、そっと近づいてくるもう一つの気持ち。


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