君に伝えたかったこと
気がつくと外はすでに夕暮れを通り越し、空は闇に包まれはじめていた。

なにも特別なことなどない、いつもの年の終わり。当たり前の時間が過ぎ、ごく普通に新しい時間が流れ込んでくる毎日。

しかし、さおりからの電話をきっかけに当たり前の日常が少しずつ変わり始めていく。


ただ、美貴恵がそれに気づくにはもう少しだけ時間が必要だった。


そう、流れる時間にわずかな波紋が広がったあの瞬間まで・・・。
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