君に伝えたかったこと

着信履歴

芳樹との電話を切ってから自分がずっと立ちっぱなしだったことに気がついた。
ゆっくりとソファーに腰掛けてさっそく携帯電話をいじり始める。

芳樹の電話番号をアドレス帳に登録するためだ。

数字だけで着信を知らせてくれた名前の出ない電話番号をアドレス帳へ。

サワダヨシキ・・・

(あれ? ヨシキ?よしきかな?どんな字?)

美貴恵は芳樹の名前がどんな字を書くのか知らなかった。

最初に会ったときフルネームは教えてもらったが、名前の漢字までは聞いていなかった。
それがほんの少しだけ残念に思えた。

< 42 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop