涙、滴り落ちるまで
「えっと……初めまして。私は、日向 陽菜(ひむかい ひな)。ソルの幼なじみで、この町の守り役をしています」

「……死神の星川 瑠依です」

僕が自己紹介をすると、陽菜さんは「君が……瑠依くん?良くソルが話してたよ」と微笑む。

「私のこと……陽菜って呼んでもらっても良いし、敬語使わなくて良いからね……ソル、立てる?」

陽菜は、そう言ってソルに手を差し出した。ソルは、陽菜の手を借りて立ち上がると「ごめん……」と謝る。

「……大丈夫?今日は、遅くまでありがとう……後は、私に任せて……」

「ありがとう……瑠依、俺らはそろそろ帰ろうか」

ソルの言葉に、僕は頷いた。



天国に帰って来た僕とソルは、泉の前で向かい合っていた。

「……初めての任務、お疲れ様」

そう言って、ソルは微笑む。

「今日は疲れただろうから、ゆっくり休むといい……瑠依、明日から1人で地上に行くことになるけど……大丈夫かな?」

「え……?」

「瑠依は、もう1人でも大丈夫だから……今日の瑠依の様子を見て、そう感じた……瑠依は、どう?1人でも大丈夫……?」

ソルの言葉に、僕は「うん」と頷いた。

「まだ不安なことはあるとは思うけど……疑問があったら何でも俺に聞いて」
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