君と素敵な日々を描く。
「なんか、紗絵固まっちゃった。」
残念そうな声を出し、ゆうはこっちを見た。
「なんでだろ。」
いや、言えないのよ。
私、紗絵の書いてる小説知ってるから。
「…春は知ってる?紗絵がなに書いてるか。」
「ごめん、知らない。」
嘘も方便だ。
知らないふりをしておこう。
「…ま、いいや。」
ゆうはそう言って立ち上がり、
先程まで私たちがいたブランコへ行ってしまった。
それを見ていた紗絵が、
ホッと胸をなでおろした、のは秘密だ。