隣は秘密の花先輩
Baby blue eyes



2年1組のアホ代表といえば、蓮田という男だ。 蓮田(はすだ)が机の上に広げたルーズリーフを覗き込みながら、 飯豊(いいとよ)が笑う。


「お前もう1年に目ェ付けてんのかよ」

「もうってもう4月中旬ですが?時間は有限。可愛い女子はなお有限。」


蓮田の堂々とした発言に近くにいた女子が「蓮田うざ」と毒を吐く。蓮田、気にしない。


飯豊は蓮田の机に寄りかかりながらルーズリーフを眺めながら言う。



「1年なんて全然わかんねえよ。でもあのー、あれ、こないだすれ違った女子は可愛いかった」

「誰だよ詳しく特徴述べろ」

「可愛い顔してた」

「大雑把過ぎるだろ。もういいよ、俺の推し教えてやるから」



蓮田はそう言うと、ちょいちょいと飯豊を手招きして近寄らせると声を潜める。ルーズリーフの上には既に数十名の女子の名前が記入済みだ。



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