私があなたを殺してあげる
「おい、誰と話してるねん? おまえ最近コソコソとメールしてるけど誰やねん? 男かぁ?」

 そしてこんな風に声を荒げて詰め寄って来たのだ。


「ええっ? いや、ちょっと・・・」

 私がびっくりして固まっていると、智明が電話を続けろと言って来る。私は、電話に耳を当て、「須山さん、今のは・・・」と、話し掛けてみると、「ツーツーツー」と、電話すでに切れていた。


「切れてる・・・」

「そんなもんやろう。これでもう掛かって来んのとちゃう?」


 えっ!? なに? 智明は何をしたの?


「もし掛かってきたら、今度は俺が代わる。もう彼氏として電話に出れるから」

「智明が、彼氏・・・」

「彼氏のフリな。それくらいはするよ」


 智明・・・ 私は智明の姿が、とてもたくましく見えた。

 好き・・・ 私、智明のことが好きだ。


「ありがとう、智明。 私の彼氏!」

 私は智明に思い切り抱き付いた。

「彼氏のフリやぞ!」

 私は確信した。どんどん智明惹かれている、どうしようもなく好きなんだと。



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