受得る -jewel-【完】
清らかな貞操はいとも簡単に喪失を迎えたのです。
激痛に苦しみもがく私を犯した男達は、当然の体罰だと言わんばかりに笑っていました。
一時的にトラウマと化したあの下衆な顔は、今でも夢に見るほどです。

暗がりの空間に反響する、喚き声と品の無い笑い声。
現実から目を背けたくてキツく瞼を閉じても、耳に障る雑音が脳内を掻き乱します。
涙が枯れるほど泣いて、声がしゃがれるほど叫んで、心身共にボロボロにされてしまった私は、こんなことならいっそ死んでしまいたいと心底から願いました。

ありったけの力を振り絞り、この場で自らの舌を噛み切ろうとした刹那のことです。


「なにをしているのです」


今となっては掛け替えのない存在である、我らが菖蒲さまが現れたのは。
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