蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集
私に愛想をつかしたような
綺月君の怒り顔を思い出し、
胸が踏みつけられたように痛みだす。
「ただの嫉妬?
心美ちゃん、悪くないじゃん」
「綺月のことだから、頭が冷えたら帰ってくるよ」
天音君と千柳さんに、慰められたけれど。
綺月君に許してもらえる気がしない。
肩を落とす私に
綺月君のお弁当箱を差し出してきたのは、
雪那ちゃんだった。
「綺月君に、お弁当渡してあげたら?
喜ぶんじゃないかな?」
雪那ちゃんの女神級の癒し笑顔と共に、
お弁当箱を受け取ったけれど。
それでもまだ、不安はぬぐいきれない。