Livre magie〜今世の幼なじみ〜
僕が訊ねると、メルキュールは「わかるよ!ボスを含めて十体いるね」と言う。十体なら一人でも何とかなりそうだ。メルキュールは戦闘は苦手らしく、回復魔法が得意らしいから……。

「この本の中にいる物の怪は、全員ボスと行動している。だから、気配がすごくてすぐにわかるんだ。どうやらボスと結合しているみたいで、ボスを倒さないと全員死なないみたい」

「了解!なら、さっさとボスを倒して帰ろう!」

僕とメルキュールはほうきを取り出し、ボスたちを探すために空へと飛び立つ。

ほうきに乗って街を見下ろすメルキュールの横顔を見て、不思議な気持ちがまた込み上げてくる。一緒に空を飛ぶ日が来るなんて、想像もしていなかったから……。

この本にいたのが零でよかった、そう心から思ったよ。






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