天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「あのあと、ナースに対する態度がよくないと率直に話したんだ。それで、今までの自分の言動に悪いところがあると気づいたら謝るべきだとお灸をすえた」

「そうだったの」

「うん。富岡さんの件も、長崎はなにもできず、あれほど存在を軽んじていたナースの季帆が対処した。医師がどれだけナースに助けられているのか、いい加減にわかれとも話した」

「ありがとう」

「季帆の対応は満点だった。それに補聴器、よく気づいた」


 陽貴さんがいつも口にする〝患部だけでなく人を診ろ〟というのを少しは実践できたかな、なんてうぬぼれる。


「長崎は大切に育てられすぎて狭い世界で生きてきたから、周りの人とのうまい関わり方を知らないんじゃないかな」


 なるほど。そう考えると彼女の行動が理解できるような。


「で、季帆はお菓子が好きですよと吹き込んでおいた」


 それであのクッキー? 
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