恋友~幼馴染みの君はいつも私に付いてくる~
賢心が突然日本に戻って来て、また私のそばをくっつき離れなくなってから、時間が合う時はご飯を作ってくれたり一緒に通勤したりしていた。

けれど、病気の事にはお互い触れない……
絶対に分かっているはずなのに言えなかった。

そして、定期検査の日。

憂鬱な私の体はなかなか布団から出たがらない…

お互いの合鍵を交換したせいで、いつもは電話で起こしてくれる賢心が部屋までやって来た。

きっとこんな事だろうと見抜かれていたんだ。

「おはよう、まだ布団の中かぁ?早く出てこないと俺も入っちゃうぞ~」

「...いいょ」

「ん?雪乃…具合悪いのか?」

「ううん…出たくないだけ」

「雪乃の好きなフレンチトースト作って
あるから、出ておいで」

「…フレンチトースト……食べたい」

そこでやっと起きる事が出来た私は、いつも通り美味しい朝食を頂いて、メイクに着替えを済ませると賢心の車で出勤した。

「今日は、一緒に帰れると思うから」

「……うん」

もしかすると、本当に知らないのではないかと
思うほどいつもと変わらない賢心に、そうであってほしいと願ってみたけれど……

やっぱり、秘密はバレていた。


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