【完】セカンドマリッジライフ
ひとつきめ。 顔も見た事のない人に会いに来ちゃいました。

ひとつきめ。 顔も見た事のない人に会いに来ちゃいました。




私の名前は雪乃(ユキノ)という。

東京生まれ、東京育ち。雪には全く縁もゆかりもない場所に産まれた。 それなのに名前は雪乃。

何でも私が産まれた日は珍しく東京に大雪が降った日だったからだそうだ。 母が病室の窓から流れ落ちる雪を見て感銘を受けて名付けられたらしい。


こな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪
みず雪 かた雪 氷雪。  津軽には七つの雪が降るという、その母が大好きだった演歌の歌の歌詞の中に出てくる雪の種類である。

本当に雪には七つの種類があるのだろうか? 東京生まれ東京育ちの私は数える程しか雪を見た事はない。

「寒い…。え、これって本気で?アハハッ…こんなに寒い場所で本当に人って生きて行けるの…?」

羽田空港から約1時間半。 
ちなみにここは、津軽ではない。 北海道である。

ちょうど北海道の真ん中の山に囲まれた盆地。 一応北海道では第二の都市にあたるらしいが……

空港から出て、目の前を絶え間なく広がっていく銀世界に思わず絶句してしまう。 見渡す限りの白い世界だ。

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