【完】セカンドマリッジライフ

今更琥太郎の事情なんて知りたくない。 どうせなら本当にのえるさんと付き合っていれば良かったのに。

「つーかお前ホテルに今すぐ帰れ。 送ってくから」

「えー、もうちょっといいじゃんね。 だって武蔵だってぴったり私にくっついてるし」

確かにのえるさんが来てから武蔵はぴったりと彼女にくっついている。 いつもは私の側ばかり寄って来るくせに。

やっぱり…のえるさんが居たらのえるさんの方が良いの…? ねぇ、武蔵も…利久さんも…そうなの? どうしよう。泣きそうだ。

のえるさんがやって来てから、利久さんが全然私の方を見てくれない。 


いつもと違う利久さんの雰囲気。それはまるで知らない人みたいだった。 その後暫くのえるさんは家に居て、三人で話をしていたけれどその輪の中に入っていけなくって愛想笑いしてばかりだった。

夕方になって利久さんがのえるさんを送って行くとの事で、一人家に取り残された瞬間虚しい気持ちでいっぱいになった。

利久さんは「帰って来てから事情は説明する」と言ってくれたけれど、聞きたくない。
心なしかのえるさんが居なくなってから武蔵が寂しそうに見える。 

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