【完】セカンドマリッジライフ

病院が開く五分前準備をしていると美玖ちゃんはふと疑問に思った事を口にした。

「そーいえばこの間病院にいらっしゃったお客さんから聞きましたけど、先生も雪乃さんも東京出身なんですってね。
どーして北海道に移住したんですかー?
私だったら東京で生まれたら絶対に東京で暮らしたいと思いますけどー
やっぱり都会って憧れちゃいますよね」

利久さんと顔を見合わせる。 彼が高く抱き上げると由愛はキャッキャッと嬉しそうに笑った。
目が合うと彼はやんわりと私へと微笑みをかける。

始まりは
自分を知らない場所へ逃げて、名前を変えて暮らしたかったからだ。
彼も似たようなものだとは思う。
周りから結婚をうるさく言われ、仕方が無しに私と結婚した。

そんな始まりだった。

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