【完】セカンドマリッジライフ

「妹さんが二人も…それは騒々しいだろうな…。」

「あー、それって私がうるさいから?! でも家族の中では私なんて静かな方なんだから…!
お母さんはすっごくうるさくって明るい人なの。いっつもキャッキャッ笑ってるの。
妹たちも私よりずっとパワフルよ。 だから実家に帰ると私の方が疲れちゃうくらい。」

「君が疲れるならよっぽどなんだろうな…。君のその騒々しさはやはり遺伝だったか」

「んもーッ。利久さんってば失礼なんだからー。騒々しくって悪かったわねぇ~。
でも…本当に綺麗。嬉しい…。」

細長い指で遊ぶようにネックレスに触れる。
そんなに喜んでくれるのならば、もっと良い物をあげれば良かった。

いや、今からでも遅くないのだろうか…。 結婚指輪さえいまだにあげていない。
もっともっと彼女の喜ぶ顔が、笑った顔が見たい。


あの日あげた数千円のガラスで出来たネックレス。
それは今でも首元で彼女の笑顔と共に輝き続けている。

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