【完】セカンドマリッジライフ

利久さんの事を少しずつ理解していった四ヵ月目。 彼は不愛想で人間嫌いなように見えるけれど、本当は人一倍気を使うタイプの人間なのだ。

いっつも考えすぎて口数が少なくなってしまって、時に誤解されがちな人なのだ。


東京で生まれて兄が二人居る事。 小さな頃は明るかったけれど、歳を重ねて行くうちに人付き合いが億劫になってしまった。

東京に産まれ東京で育ってきたけれど、人がごちゃごちゃしている場所が苦手でいつか出て行きたかった。

この結婚のきっかけになったおじいちゃんの定一さんは、厳格な家庭の中での唯一の理解者でもあり、彼だけが北海道に移住する事を賛成してくれた。

獣医という仕事に誇りを持っている事も、困っている動物は放っておけない事も。 猫たちだって元は引き取り手の見つからなかった子達や、生まれつき持病がある子達ばかりで。

ポニーのニンジンも病気で処分されそうになっていた子だ。


ぶっきらぼうで不愛想に見えるのに、実はとても優しい人だ。 だからなのか? 彼と一緒に居る時間はホッと落ち着く。

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