俺様幼馴染は素直になれない!
*
第三土曜日の朝。
いつもより静かで清々しい朝だった。
「起きるか」
私は一人で呟いて、起き上がった。
今日、上杉くんとデートだ。
行先は、水族館だ。
たまたま、知り合いから水族館のチケットをもらったから、行かない?と言われて、水族館に行くことになった。
本当にたまたま知り合いから、もらったのか不思議だけど。
二人で水族館デートだ。
デートって、初めてだ。男の人となんて。
本当にデートなんてするとは思わなかったから。
私の本心は、瑠翔とお出かけをしたかった。
彼女として瑠翔の側にいられないことはわかっていた。
だけど、智子経由で誰かに誘われたとしても断っていた。
どうしよう。
また、布団をかぶり、左右グルグルと回っていたら、充電のためにベットの床に置いてあった携帯を取り出すと、もう9時になっていた。
ヤバイ、待ち合わせ時間10時なのに遅れる。
私は早々と歯磨きをして、メイクもして、服も着替えた。
最近、お気に入りの服が手に入れたのでそれを手にして急いで準備をした。
そして、母がリビングにいたので、行ってきますと大きい声で言う。
すると、母は
「どこか今日行くの?」
母はソファーに座って、雑誌を読んでくつろいでいた。
急いでいく私に疑問を抱き、聞いてきた。
「ちょっと。用事があるから。行ってきます」
私はそう言って、早々と玄関のドアを開けて出た。