能力を失った聖女は用済みですか?
「……私はその昔、酷いことをした。干ばつに苦しむシャンバラに聖女を派遣するのを断り、手を差し伸べなかった……全てが、私の行いに対しての報いだな」
王はゆっくりと寝台から立ち上がると、倒れたラシッド王子の側へしゃがみこんだ。
「償いにもならぬと思うが……私はこれを機に、退位して跡を譲ろうと思っている」
「ええっ!?ラシッド王子にですか!?」
「大丈夫なのか!?」
『本当に滅ぶぞえ?』
恐ろしいことを言ったロラン王に、私、カイエン、ガラティアが次々に心配した。
いや、心配というか、はっきり言って悪口である。
「まぁ、皆そう言うだろうな……甘やかされて育ったために、軟弱な男になってしまってな。だが!もう容赦はせん。これからはビシビシとしごいてやるつもりだ」
「はぁ……頑張ってください。かなり大変でしょうけど」
そう言うと、ロラン王は「任せてくれ」と微笑んだ。
私は床で呑気に気絶したままのラシッドを見つめ思った。
せめてロランの皆さんに迷惑をかけない程度の甲斐性はつけて下さいと。
……そう切に願うばかりである。
王はゆっくりと寝台から立ち上がると、倒れたラシッド王子の側へしゃがみこんだ。
「償いにもならぬと思うが……私はこれを機に、退位して跡を譲ろうと思っている」
「ええっ!?ラシッド王子にですか!?」
「大丈夫なのか!?」
『本当に滅ぶぞえ?』
恐ろしいことを言ったロラン王に、私、カイエン、ガラティアが次々に心配した。
いや、心配というか、はっきり言って悪口である。
「まぁ、皆そう言うだろうな……甘やかされて育ったために、軟弱な男になってしまってな。だが!もう容赦はせん。これからはビシビシとしごいてやるつもりだ」
「はぁ……頑張ってください。かなり大変でしょうけど」
そう言うと、ロラン王は「任せてくれ」と微笑んだ。
私は床で呑気に気絶したままのラシッドを見つめ思った。
せめてロランの皆さんに迷惑をかけない程度の甲斐性はつけて下さいと。
……そう切に願うばかりである。