能力を失った聖女は用済みですか?
エピローグ
ここはシャンバラ王宮、ルナシータ製造所。
今朝も元気にシータの掛声が中庭に響き渡っている。

「大きく腕を前にぃー、いっちにー、さんしー!」

夜明けとともに始まる、従業員全員での体操は、仕事前の日課。
その日一日、清々しい気持ちで仕事に励めるようにと、私の発案で始めたのだ。

「はい、深呼吸ー!大きく吸ってー、吐いてー。吸ってー、吐いてー……今日も一日、がんばるぞっ!」

「おー!!」

シータの喝に、気合いの大声で返す従業員の皆さんは、始業の鐘を聞きながらそれぞれの部署へと散って行く。
それを見送った後、振り返ると笑顔のカイエンがいた。
大抵彼も朝の体操に参加する。
製造所の従業員ではないけど、体を動かすのが好きで、こうしてやってくるのだ。

「おはよう、ルナ」

「おはようございます、カイエン様。晴れて良かったですね!今日の落成式」

「ああ、いい天気になりそうだ」

カイエンはうーんと背伸びをした。
『落成式』とはレグラザードに新しく建てられた神殿の完成を祝って行われるものだ。
「シャンバラの奇跡」の日から少しづつ準備を始め、この度漸く完成した、地母神ガラティアを讃えるための場所。
もうすでに、私の脳裏には高笑いをする地母神の姿が浮かんでいる……。
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