ラピスラズリの瞳ー偏屈王子は女流画家の瞳に恋をするー
1話

 伯爵家の娘、ソフィアは、絵を描くことが大好き。
父親が権力争いに巻き込まれ、陥れられたために、家が没落寸前になっていても、ソフィアは絵さえ描ければそれで幸せな毎日であった。
あるとき、王家の別邸で集まりがあり、そこで貴族たちの絵を描いてほしいと依頼されるソフィア。
自分の絵が役に立てるのなら、と向かうソフィアだったが、ソフィアの服や絵具や筆がみすぼらしいことを大勢の前で指摘され、笑いものにされてしまう。
自分なんかが来てはいけなかったのだ、と落ち込むソフィアの前に、美しい青年が現れる。
「彼女の絵をご覧、君たちは着飾っていても、本当の美しさはわからないようだね。」



2話

 自分を助けてくれた青年が、第二王子のアンドリューだったと知るソフィア。
偏屈で名の通ったアンドリューが自分を救ってくれたことに驚き、また、礼をしなければと思う。
没落寸前の権力のない自分が第二王子に近づくことは容易ではないため、考えた末に教会の司祭について尼に扮装して城に紛れ込むことに。
どうにかしてアンドリューを見つけ、礼を言うソフィアだったが、アンドリューの態度はそっけない。
「別に礼などいらない。君に何ができるというんだい?」
「それとも……体で礼をしてくれるとでも?」


3話

 城での出来事で頭がいっぱいになるソフィア。
(いい人だと思ったのに…やっぱりうわさに聞く偏屈王子というのはほんとうだったのかしら。)
そこへ、ソフィアあての小包が届く。中身は、赤い絵具一つ。
差出人の書いていない贈り物に、不審がりながらも心躍らせるソフィア。
それから、毎日一色ずつ届く絵具。次はどんな色だろう、とわくわくしながら待つソフィア。
そんな折、なんとアンドリューが包みを携えて現れる。
中身は新しい絵筆。
「先日はすまなかった。君があまりにも初々しかったから、からかいたくなったんだ。」
「これから、僕のために絵を描いてくれるかい?」
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

囚われの胡蝶は皇帝の愛にはばたく

総文字数/1,779

ファンタジー2ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
古代中華風ラブファンタジー。  ある小国の姫である夢蝶は、両親に溺愛されいつも香を焚いた浄室で本を読んで過ごしていた。 ところが、17の歳を迎えた頃、夢蝶は病に倒れ、床についたきりになってしまう。  そんなときに、突然隣国の大国の皇帝・天白から、夢蝶を妃に迎えたいとの使者が来る。 病のある娘に縁談などと驚く父王であったが、侵略されるよりはと夢蝶を輿入れさせる。  夢蝶は残虐で冷酷と噂される天白のことがはじめは恐ろしくて仕方がないが、次第に心を通わせ、やがて夢蝶の病も回復し、二人は愛し合っていく。  そんな折、夢蝶の両親が病に倒れたとの報告が入る。天白が軍に詳細を調べさせると、夢蝶の国の隣国が不穏な動きをしているという。天白はやがて兵を率いて敵国を討つこと夢蝶に誓うが、夢蝶は天白に危険な思いをしてほしくない。すれ違う二人は敵国の策に謀られかけるが、天白の軍は敵国に勝利し、そして天白と夢蝶の二人は子をもうけ、国は栄え、二人の愛は続いていく。
華道家元の甘すぎ溺愛レッスン

総文字数/13,671

恋愛(ラブコメ)2ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
空間デザイン会社勤務の主人公・望月凡奈(もちづきはな)27歳と、 華道の御堂河内流の家元・御堂河内柾(みどうごうちまさき)29歳の わりと正統派のラブストーリーです。 柾が凡奈のことを追いかけるような雰囲気になると思います。
ギザギザハートのマイフェアレディ

総文字数/6,786

恋愛(純愛)5ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
こちらはマンガシナリオになります。 「第1回comic Berry’sマンガシナリオ大賞」にエントリーしています。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop