チョコなんてあげないっ!


どっ、どうしよう。

あたしの500円 !!


10円とかならまだ諦めがつくけど、500円だとそう簡単に諦める訳にはいかない。


だって500円あったら、毎月楽しみに読んでいる漫画雑誌を1冊買えるんだもん。これは、何が何でも回収しないと!


あたしはキョロキョロと、辺りを見回す。


幸い今は、周囲にあたし以外誰もいない。


あたしはしゃがんで、自販機の下を覗き込む。


どこだろう……?

夕暮れ時で、周囲には街灯もほとんどなくて、暗くてよく見えない。


あ、あれかな!?


スマホの画面をライト代わりに自販機の下に照らし、かなり奥のほうに500円玉らしき物が見えた。


よし。ここは、人の目を気にせず、羞恥心を捨てて……。

あたしは、自販機の下に手を入れた。


一生懸命手を伸ばすが、なかなか届かない。


しばらくあたしが苦戦していると……


「そんなとこで何やってんだよ、お前」



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