チョコなんてあげないっ!


「買えて良かったね」

「うん。このあと少し時間あるし、どこか寄ってく?」


買い物を終えたあたしは、サヤとそんなことを話しながら、ショッピングモールをぶらぶらと歩いていた。


すると───


「ねぇ、ヒロくん。あっちも見てみる?」

「おー。そうだな」


少し離れたところから、"ヒロくん"という女の子の声のあとに、聞き慣れたいつもの低い声が聞こえてきた。



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