泣いてる君に恋した世界で、
オレンジ世界で再び泣いてる君


覚束無い足取りで真っ白な床を歩いている俺はどこに向かおうとしているのだろうか。

向かうとしたらただ一つ。

地獄への道だ。

俺が悪いんだ。全部、全部。俺のせい。

俺のせいで3人死んだ。

ひとりは親友。もうひとりは親父。そして今日……―――。

視界が歪んで倒れ込んだ俺を支えたのは頑丈な白い壁。

そのまま力なく身体を預ければ人生3度目の呻き声がそこら中に響いた。

幸いここには人がいなかったから、誰もこの酷く情けない声を聞くことはないだろう。そしてこの酷いざまも。

途端に聞こえたサイレンに肩を震わした。

うるさいうるさいうるさい。鳴るな鳴るな鳴るな。消えろ消えろ消えろ。

耳を必死に塞いでもその隙間から嫌でも聞こえてくる救急車の音に苛立つのも情けない。

それでももう聞きたくない音なんだ。3度もこの音は聞いてきた。2年連続で、だ。

一体俺が何したっていうんだ?
喧嘩した代償?

喧嘩したって殴り合いとかそんな大事じゃない。

ただ気付いたら喧嘩してたんだ。明日には謝ろうって思った時の次の日には3人とも失った。

何。神様は俺をどうしたいの。苦しめたいの?まじなんなん。



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