未来の種
優だ。優の音だ! やっぱりキラキラしてる!

「隔離期間中、弾けてたの?」

「……実は、内緒で隔離先のホテルのピアノ、弾かせてもらってた。本当は部屋から出ちゃいけないんだけど…夜中の宴会場でこっそり。お陰で、昼夜逆転の生活だったけど、指はこの通り動く。」

「そう…。良かった。
……やっぱり、優のピアノ、好きだな。」

CDで聴くのも良かったけど、音量を抑えていても、やっぱり生演奏は迫力がある。
私が優のピアノの音に聞き惚れていると、優がある一点を見ていることに気が付いた。

「美衣子? これ、なんでこんなにいっぱいあるの?」

あ! しまった。蓋を閉めてない!
CD、そのままにしちゃってた。
しかもその横には2人で撮った写真が入った手作りの写真立てがある。
電子ピアノの横のチェストは、優の写真やCDがたくさん入っていて、普段は大きな蓋を閉めている。家族が来た時に見られないように。でも、うっかり開けっ放しにしてた!

「と、突然来るから! 普段は閉めてるの。
あっ! もうっ、見ないで〜!」

わざわざ立ち上がって、覗き込んでる!

「美衣子…CD、12枚もある…。」

「…クラッシックコーナーで、取り上げられてたの…秋のコンクールの後。う、売り上げ協力、かな?」

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