未来の種
「紫おば様……」

「不妊治療は、勉強不足であまりわからないけど、2人の気持ちがちゃんと寄り添えているなら、頑張ってみたら? 
出来なくても、ミイちゃんには、可愛い園児達がいっぱいいるじゃない。」

「別に、坂上の姓のことは気にしなくていいぞ。俺はサラリーマンだし、継がなきゃいけないものもない。
聖に聞いたけど、優、教師やるんだろう? 」

「…うん。ごめん、勝手に決めて。」

「いや、俺達はお前のやりたい事を尊重する。お前がピアノと教師、二足の草鞋で行くつもりなら、いくらでもプロデュースするぞ!
お前、紫にさらに似てきたから、王子様キャラを生かしてだなぁ…」

「父さん、俺コスプレはやらないからね。」

「なぜだ? お前似合うのに! 
王子様コスでYouTubeにアップして…」

「あら、それいいんじゃない?
所属は坂上ピアノスクールにしてね。
いい広告塔になりそうだわ。」

「勘弁してよ…。」

「フフフ…優、私も見たいなー。」

暗い話題だったはずなのに、2人とも優しい…。
紫おば様も同じ悩みを持ってたなんて知らなかったな。優が生まれた事に感謝だよ。

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