本能で恋をする
纏わりつく
次の日―――
「じゃあ行ってくるね!」
そう言って軽く口唇にキスすると
「うん…気をつけてね」
と少し目をうるうるさせて、凛音が言った。
可愛い………
思わず、家に戻りそうになるのを堪え
「なるべく急いで帰るからかね…!」

もう一度、キスをして玄関を出た。



――――やっぱり俺達、バカップルだ(笑)


にやつきながら、エントランスを出ると、
「海斗様、おはようございます」
とアイツ(川枝 梨乃)がいた。
一瞬で顔が真顔になる。

俺はコイツが苦手だ。
川枝は、凛音と同じ25歳で秘書課にいる。その上やたらと俺に構ってくるのだ。
「なんで、いんの?」
「私もお供させていただきます。
社長からも了承得てます」

「あーそう!」
軽く答えて、迎えの車に乗り込む。
隣に川枝が乗ってきた。

なんか嫌な予感がする―――――
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