本能で恋をする
乱される
*****木野 亮平side*****

俺は今日休日出勤で少し遅くなり、30分遅れで会場に向かった。
「あれー。亮平?亮平じゃん!元気だったか!」
「おぉー、もしかして嶋田!?
お前太った?」
「あー。ちょっとな。ストレス溜まんだよ!
それより、あっち見てみろよ!ミス西若ツートップだぜ!」

そこにはやたら目立つグループがいて、そのなかにえりぃがいた。


綺麗だ――――
俺は時が止まったように、見とれていた。

「――平?亮平!?」
「あ、わりぃ」
「お前も凛音ちゃんに見とれてたな!」
「え?べ、別に!」
「恥ずかしがるなって!俺等もだから!
凛音ちゃん、高校の時もヤバいくらい可愛かったけど、今もめっちゃ綺麗になってるもんな!」
「そうだな…」
「なぁ、話しに行こうぜ!俺達だけじゃ行きにくくて。
お前が来たら行こうって言ってたんだ」
「あぁ」


「えりぃ?」
「ん?あ、亮くん。この前ぶりだね。あの時はごめんね」
「いや、俺こそ――――」
手が勝手に、凛音に触れようと動く。
「凛音ちゃん、俺も!」
「あ、嶋田くん!久しぶりだね!」
あっという間に、えりぃは囲まれた。

ヤバい……もう少しで、またいつもみたいにえりぃに触れそうになった………
ダメだ。どうしようもなく抱き締めたい。



「ちょっと!!!あんた達!!
凛音は私達が話してるの!!!あっち行ってて!!」
君加が、怒鳴る。
「いいじゃんかよ!」
「フフフ…」
凛音が、微笑みながらみんなのやり取りを見ている。

「なぁ、えりぃ。
ちょっとだけ、いい?」
さりげなく隣に行き、声かけた。
「え?うん…」

みんなから外れ、窓際に向かう。
「あの、さ。この前は本当ごめん。
でもたまにでいいから、友達として遊ばない?もちろんえりぃが良ければだけど」
「え…?
うん…いいよ!友達としてなら」
「マジで!?よかったぁー!!
スゲー緊張してたんだ。断れたらどうしようかと」
「(笑)そうなの?」
可愛く微笑む、えりぃ。
やっぱ可愛い………!



「ちょっとぉ!!!
凛音は私としゃべってるって言ったよね!?独り占めすんな!」
「もう、きみちゃん。みんなで話そうよ!」
会場が笑いに包まれた。
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