王子と社長と元彼に迫られています!
ライブ配信で見た時も綺麗な人だと思ったけれど、近くで見ても肌も髪も美しかった。子供を見た時に肌はすべすべで毛穴がなくて髪もつやつやでいいなと思うが、彼女は大人になってもそれを保っていた。それでいて顔立ちはしっかり大人だし身長も高そうだ。それに加えて・・・。

───柚香はFカップって言ってたけど、同じくらい?いや、多分それ以上
・・・。

無遠慮な視線を送っていて手が止まってしまっている私を気にすることもなく彼女は資料を集め終わると『どうぞ。こんなにたくさんブース回られるなんてすごいですね。』と言って笑顔でその束を渡してくれた。

「あ、はは。どうもありがとうございます。」

ぎこちなく微笑みながら資料を受け取ってもなお自分から目を離さないでいる私を彼女もさすがに疑問に思ったようだった。

「すみません、もしかしてどこかでお会いしたことありましたか?」

「い、いえ・・・その、友達に似ていたので。失礼しました。本当にありがとうございました。助かりました。」

そう言って頭を下げ資料をトートバッグに入れ鞄を持って慌ててトイレを出ようとすると柱に派手に頭をぶつけてしまった。『ゴッ!』という鈍い音の後『ぶふっ!』と間抜けな声を出した私に彼女は『大丈夫ですか!?』と声をかけてくれ、こちらに寄ってきてくれようとした。『あっはは、大丈夫です。』と返し額を押さえながら逃げるように出入り口を出ると、頭をぶつけた時よりも大きな衝撃が全身に走った。目の前の通路に優悟が立っていたのだ。
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