受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される

 不意打ちの頭ポンポンの衝撃をようやく消化した頃、デュークは戻ってきた。
 向こうでは、無事に一人一つクローバーを見つけた子どもたちが、はしゃいでいる。

「待たせてごめんね。気付いたら子どもの数がどんどん増えていて……」

 言われてみれば、寄ってきた子どもよりも数が多くなっている。
 しっかり最後の一人まで世話をする面倒見のよさに、デュークの父性を感じたレーヴの心が跳ねた。

(いけない。妄想、やめぇ。あ、そんなっ……くぅぅ!)

 レーヴは内心、もだえた。
 まるで辱めを受けているような声を上げているが、妄想内容は至って健全である。
 両の手それぞれで子どもと手をつなぎ、仲良く散歩しているデューク。夕日で伸びた影が、愛しさを増すようだ。
 さらにその隣で微笑む自分も妄想に追加してしまい、レーヴはますますもだえた。

 そんな時である。

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