小説家のあなたに翻弄されたい
学校へ行きたい、

そう言ったら叱られた。

女は学問などせずに、見合いをして落ち着くものだと言われた。

そんなのはまっぴらごめんだと父に楯突いたら、勘当された。

財布やハンカチなど日頃持ち歩いているものが入ったバッグが玄関から私に投げつけられた。

文字通り家を放り出された私は家の前の道の真ん中でへたり込んだまま途方に暮れた。

かっとなりやすい父の事だ、きっとなんだかんだで許してくれ、家に入れてくれる。

そう思い暫く家の前に立っていたけれど、家の戸はぴしゃりと閉じられたまま開く事は無かった。

少しずつあたりは暗くなり、家に明かりが灯っても、戸はぴくりとも動かない。

自分の意見をはっきり言う私はよく父と喧嘩をし、よくこうやって外へ出されていた。
その度に、父の言いつけはよく守り大人しく優しい母が、そっと玄関を開け家へ入れてくれたものだ。

あたりが暗くなると体から血の気が引いた。

私は本当に勘当されてしまったのだ。

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