マリアちゃんと鬼ごっこ
それぞれが現実を受け入れられないまま、再び歩き出した。
マリアの位置情報は三花が随時チェックしてくれていたけど、その報告も耳に入ってこないほど上の空だった。
気づくと俺たちは商店街へと足を踏み入れていた。ここは昔ながらの青果店や精肉店と、地元住民に寄り添った店が数多く並んでいる。
……ガタッ。
なにかが崩れた音がして、俺を含む全員がビクッと肩を震わせた。それが聞こえてきたのは、店内半額セール中と書かれた古本屋の中からだった。
三花が見てるスマホにはふたつの青色の点滅が表示されている。
タップして確認すると、児玉佑樹と清水敬太の名前が記されていた。
俺たちは顔を見合わせて古本屋に入った。その物音に気づいたようで、「うわああ!」とホウキを持った児玉に襲われた。
「ま、待って。俺だって! マリアじゃない!」
「え、な、なんだ。村瀬くんたちか……」
児玉は安心したようにホウキを下ろしてくれた。本棚の裏に隠れている清水の姿も同時に発見できた。