マリアちゃんと鬼ごっこ
「……児玉くんのこと救えなかったけど、永人のおかげで少しだけ長く生きることができたね」
「逆に苦しませただけかもしれないよ」
清水のように意識を失っていたら、火傷の痛さや喉の渇きを感じさせずに済んだんじゃないかって思う。
「そんなことない! 児玉くんは永人に助けられて嬉しかったはずだよ」
三花がぎゅっと俺の手を握ってきた。
「永人がしたことは絶対に無駄なんかじゃないよ。命は救えなかったけど、児玉くんの心は救えたんだよ!」
そう言われてスッと胸のつかえが取れた。同時に瞳からぼろぼろと涙があふれてくる。
「……っ、ダサいから見るな」
拭いても拭いても、止まらない。そんな俺のことを見て、三花はにこりと笑った。
「いいよ、私の前では泣いても。そういうところ私には見せてよ。ね?」
「……っ、うう……」
泣きじゃくる俺のことを、三花はしばらくの間、抱きしめてくれていた。